幸福の木369諦念5

食事が終わってもなかなか二人が戻って来ないモノだから、スイーツは諦めて片付けてもらっていた。

温かいお茶が美味しい。

食べ過ぎだわ。

いいじゃんっ。

一仕事終えたんだしまた明日から絞るよ。

本当ですか

智さんは翔さんと一緒で、すぐ体型に出ますからね特にお顔。

気を付けるよ。

タミさんには何でも知られているからかなわない。

そう言えば翔さん何だか変でしたね?

そう?

いつもだったら、クスクスクス。

何?

いえ、智さんがお好きだって隠せない方だから。

そのままタミさんは笑っていた。

確かスキンシップをしてこない。

でも、社長だし、疲れてるだろうし

彼だって人間だ。

そんな時もあるさ。

俺は何故だか無理矢理そう結論付けていた。

あ。

翔くんが国分と戻ってきた。

もう、片付けてもらったよ。

うん、分かってる。

お会計も済ませたから行こう。

そうなんだ。

ごちそうさまです。

私ちょっと失礼させてもらって。

タミさんが化粧室に言ってくると言う。

俺も急いで続く。

入り口で

すれ違った国分は何だか顔色が悪く俯いていた。

どうかしたのかな?

気になったが、そのままトイレに向かう。

漏れちゃあ、大変だっ。

しばらく自宅で待機していろ、追って連絡する。

はい。

本当はサクライの社員に対して個人的に処遇の権利なんてない。

だが、国分は覚悟を決めていたのか何の反論もしなかった。

饒舌な男は黙ったまま項垂れていた。

俺は彼には感謝していた。

アメリカで十二分な働きをしてくれていたからだ。

だが、それで智くんの事を黙っていたことを許すわけにはいかなかった。

彼は他の人間とは違う。

俺の信頼する右腕のはずだったんだ。

右腕がこんな重大な事を隠していたなんて

しかも、彼の過去の行動は、俺から智くんを遠ざけようとしていたように思えた。

実際、その事を指摘すると彼は否定しなかった。

今でも、智くんが俺の地位を脅かすと疑ってるか?

いいえ、まさかあの人には感謝しかありません。

感謝。

が使えなくなって大変だった時に、あの人が貴方を捜してくれました。

きっと、俺たちには捜せなかった。

あの時?

一瞬考えて思い至る。

白浜か

クックックッ。

翔さん?

偶然なんかじゃなかったんだ。

智くんはわざわざ俺を捜しに来たんだな?

国分は黙ってますます項垂れていた。

あの時、俺を捜しに来て智くんは恋人と別れる事になった。

弟が死にたいって言って叫んでいたから?

そうか

そうだろな。

俺が

俺がっ、

両手で顔を覆った。

次から次へと

この調子でまだまだ出てきそうだ。

おれは耐えられるんだろうか?

一体、どの面下げて

こちらから追い出しておいて、都合が悪くなったら利用したって事じゃないかっ。

よくもそんな恥知らずな真似ができたもんだ。

本当に最低

翔さんっ、今さらですが悪かったと思ってます。

私は大野親子を誤解していました。

それにまさか翔さんがあんなにっとは思わなかったんです。

あんなに?

あの人が居なくなればあなたが真剣に結婚を考えてくれると思っていました。

もっと跡継ぎとしての立場を自覚していってくれるに違いないって

でも間違っていた。

俺は怒りに体じゅうの血液が沸騰しそうだった。

そんな理由?

そんな理由で、あの人の存在を抹殺することに加担したって言うのかっ。

翔さんは本気で智さんを愛しているんでしょ?

だったら。

うるさいっ、黙ってろっ!

愛していてもどうにもならないことがある。

愛しているからこそ許されないことがあるんだっ!